以前書いたnode-webkitアプリをTravis CI経由でGitHub Releaseにバイナリ登録する | Web Scratchの更新版的な記事です。

この記事はNW.jsElectronで書いたアプリをGitHub Releaseで公開するまでの流れやツールの紹介です。

この記事の目標としては”Travis CIからGitHub Releaseへ自動的にパッケージしたアプリをアップロードする”を目標にしてます。

つまり、git tagを付けてgit pushすれば、自動的にアプリのバイナリができあがるという感じです。

GitHub Release向けのzip

GitHub Releaseにアップロードできるファイルの種類は決まっているので、 NW.js/Electronアプリのパッケージング(.exeや.appなど)をしたものをzipとしてまとめる必要があります。

NW.js/Electronアプリのパッケージングはそれぞれメジャーなツールがあります。

これらでパッケージングはできますがzipファイルにしてくれるオプションが今のところありません。

そのため、パッケージング->zipということをやってくれるラッパのツールをそれぞれ書きました。

例えばElectronなら

$ electron-packager ./sample sample --platform=darwin,win32 --arch=x64 --version=0.30.0

という感じでmaxogden/electron-packagerを使ってパッケージングを行えます。

これのラッパーであるazu/electron-zip-packagerを使えば、同じオプションを渡せばzipとして出力してくれます。

$ electron-zip-packager ./sample sample --platform=darwin,win32 --arch=x64 --version=0.30.0
# それぞれzipファイルができあがる 
#  sample-darwin-x64.zip
#  sample-win32-x64.zip

内部的にそれぞれのパッケージングツールを使ってるので受け取れるオプションは全く同じで、パッケージング+zipを作ってくれるだけの機能です。

参考: 30分で出来る、JavaScript (Electron) でデスクトップアプリを作って配布するまで - Qiita

GitHubへアップロード

ここまでで、パッケージングしたzipファイルが各OS毎にできあがりました。

これをTravis CIからGitHub Releaseへアップロードするのですが、これは以前書いたnode-webkitアプリをTravis CI経由でGitHub Releaseにバイナリ登録する | Web Scratchと全く同じですが、合わせて紹介。

travis-ci/travis.rbを使うと、Travis CIからGitHub Releaseの連携がインタラクティブに行えます

gem install travis
travis setup releases

ユーザ名やパスワードを入れていくと、自動でGitHub Releaseできる設定の入った.travis.ymlができあがります。

具体的がないとちょっとわかりにくいのでazu/video-transcript-noteを例とします。

このアプリでは、npm run distをすると先ほどのツールを使ってzipファイルをそれぞれ作成刷るように設定しています。

 "scripts": {
    "start": "electron .",
    "dist": "electron-zip-packager ./ video-transcript-note --platform=darwin,win32 --arch=x64 --version=0.30.0 --ignore videos"
  },

これに加えてtravis setup releasesをして作って少し手を加えたvideo-transcript-note/.travis.ymlを見てみます。


sudo: false
language: node_js
node_js:
- '0.12'
after_success:
- test ${TRAVIS_TAG} && npm run dist
cache:
  directories:
    - node_modules
deploy:
  provider: releases
  api_key:
    secure: spDpSqaquXX3wgxjnB8gySH1ydtHFcqxgyErDjYd1kCHZlsxiiihe9+SqTXocVrkSm0x4D6G5i3Ia2N8Pscrv+4heSVsZ1koXJIaN5tzWkn5py5iYy14DKLEf9N8LqQ3Yenr0gGnweymErmLsdIZVeFaXNmGCdl7oyyvQkFcAyaiQXVAtlMwhhAUkqcmzQ8pZOhCQtzPX1zAjzousPCnKJwSGbrP8iNHumhbu9RoxHTn+JbpW9IlCQnwMqeN/2qN51cGU3YT/G3qLhw3RiJMVGUtthPfym3OYGqCE5LPFjuan5z13ruD49K5LhKzFwRPojhZCtNymQ1KfezXk+Ynm2R0JYPCSBH2f1w9f9GvzJ3RYwinr19zTCzmsAIf5FP8qiayz875jIalo53/fWA05//le1NxrpR5la5OTnGpymQ9VOEo7C4qVKdDs9WYSIV4ywJFG8xYEHRqKfZ2lzH6MZZEob0h343rrBO7PKjiXVhUQESyJBTO27RWbcdpqBIYkNwc18aLU/48xgi8NKmHX9S3+bB2BelPI9K24FOSRRRBf942ZeLIOeIKFje6q0A9Cz0z9EkVE9osampJv2RRL14bAiDGrtIWx9tG/ET8hhr+xqSGEApHPJLah7q/jlFgKrq7Yg6bzz7e1mtIo0I09pVKieojMUPxkHARge8mrmw=
  file:
  - video-transcript-note-darwin-x64.zip
  - video-transcript-note-win32-x64.zip
  on:
    repo: azu/video-transcript-note
    tags: true

設定を簡単に見てみます。

Travis CIでテストが通ったら、git tagがついてる時だけnpm run distします。(GitHub Releaseはタグがいいので)

after_success:
- test ${TRAVIS_TAG} && npm run dist

合わせてアップロードするzipファイルのパスを指定しています。 (ワーキングディレクトリにzipを作るので、単純にファイル名だけで良い)

  file:
  - video-transcript-note-darwin-x64.zip
  - video-transcript-note-win32-x64.zip

最後にgit tagの時のみreleaseしたいので

tags: true

を加えています。(何故か自動では入ってなかった)

これだけで、git tagして、git push --tagsをするとTravis CIからGitHub Releaseへアプリをアップロードしてくれます。

NW.jsの場合は

などを見てみて下さい(基本的にパスが違うぐらいで同じです)

おわりに

を使ったNW.js/ElectronアプリのGitHub Releaseでの公開方法について書きました。 余計な設定は大分削ってやビルドスクリプトなどなしにできるようになったので、結構気軽に使えるような気がします。

上記のパッケージングラッパーはいまいちアップデートへの追従的な問題はどうやって確保するのか、peerDependenciesとしたほうがいいのかいまいち分かってないのでIssueやPull Requestくれると嬉しいです。