2023年に得たGitHub Sponsorsの収入1をまとめた記事です。 去年(2022年)の結果については、次の記事でまとめています。

GitHub Sponsorsは、主にオープンソース活動に対して金銭的に支援をする仕組みです。

GitHub Sponsorsは個人と組織への支援がありますが、ここでは自分個人に対するGitHub Sponsorsについてまとめています。 自分(@azu)のGitHub Sponsorsは、次のページに公開されています。

この記事を公開する理由は、オープンソースの活動をする人/オープンソースの活動を支援する人にGitHub Sponsorsなどの金銭的な支援の仕組みに興味を持ってもらうためです。 個人的な考えとして、オープンソースへの支援方法として金銭的な支援も選択できるという点は重要だと思っています。

もう一つの大きな理由としては、オープンソースの利用者がオープンソースへ支払う手段はあったほうが良いと思っているためです。 オープンソースの利用者がそのオープンソースへContributeする方法としてスポンサー(金銭的な支援)できる選択肢があることは重要です。
オープンソースにContributeする方法として、バグ報告/修正、機能追加、ドキュメントを書く、IssueやDiscussionのトリアージ、デザイン、マーケティングなど色々な関わり方があります。 その関わり方の一つとして、金銭的な支援をするという選択肢は、Contributorが選べるようになっているのが望ましいと思っています。
https://efcl.info/2021/10/01/github-sponsors/

この記事を見てGitHub Sponsorsを使って支援する方法に興味を持ってもらえたら幸いです。

オープンソース活動の種類

自分のオープンソース活動の種類として次のようなものがあると思います。

基本的には趣味でやっているものです。

趣味でやってることなので、スポンサーに対する見返りはほぼ設定していません。 見返りを設定する場合は、そのプロジェクトがスポンサーの有無とは関係なく安定的に動くようになってきてから、考えるようにしています。

自分のGitHub SponsorsのTier設計についての詳細は、次の記事にまとめてあります。

収入の種類

自分のオープンソース関係の収入は、ほぼGitHub Sponsors経由となっています。 @azuのGitHub Sponsorsページでは、MonthlyとOne-Timeでのサポートができます。 自分の場合は、GitHub SponsorsのMonthlyでの支援がベースとなっています。

📝 Open CollectiveJavaScript Primer - Open Collectiveを始めましたが、今年はまだ動き出してないので、ここでは省略しています。

収入の金額

GitHub Sponsorsで支援する際にはUSドルで支払いますが、振込時に日本円へと変換されます。 そのため、実際に受け取った金額は日本円となります。

また、GitHub Sponsorsのサポート方法にはMonthlyとOne-timeの2種類があります。 ここで記載している金額には、両方の金額が含まれています。

2023年に受け取ったGitHub Sponsorsの合計金額は次の通りです。 ここで記載している金額は、銀行口座に送金される金額です。 実際に手元に残る金額は、確定申告をしてから確定します。

年    合計金額(円)
2023年 ¥1,801,805

2023年に受け取ったGitHub Sponsorsの月ごとの金額は次の通りです。

日付 金額(円)
2023/01 ¥146,920
2023/02 ¥132,333
2023/03 ¥129,573
2023/04 ¥129,044
2023/05 ¥105,698
2023/06 ¥178,135
2023/07 ¥140,864
2023/08 ¥149,630
2023/09 ¥142,451
2023/10 ¥182,670
2023/11 ¥185,267
2023/12 ¥179,220

月別の金額をグラフ化すると次の通りです。

GitHub Sponsors - 2023

2023/10ごろから増えているのは、サイボウズ株式会社さんによるスポンサーシップのアップグレードによるものです。

継続的なサポートをしてくれている方

2023年12月時点で継続的なスポンサー(current sponsors)のみの情報をまとめたグラフです。 このグラフは過去にスポンサーとなった方(Past sponsors)は含まれていない(APIの都合)ため、基本的にはOne-Timeスポンサーの情報は含まれていません。 このグラフは、次のツールで生成しています。

GitHub Sponsorsで継続してサポートしてくれている人数の推移をグラフ化すると次の通りです。

GitHub Sponsors count

月毎のGitHub Sponsorsの人数の推移(Past sponsorsは含まれていない)

GitHub Sponsorsでの月ごとの推定収入の推移(単位はUSドル)をグラフ化すると次の通りです。

Monthly Estimated Income(Dollar)

月毎のGitHub Sponsorsでの推定収入(単位はUSドル)

この推定収入のグラグは、スポンサーの金額のアップグレードをうまく反映できてないので、実際の収入とは異なることに注意してください。 そのスポンサーが金額を変更したタイミングで金額が増えるのが正しいですが、途中のデータが取れないので、スポンサーになった時点の金額が変更後の金額になってしまってます。(なので増えるタイミングが実際とはずれてしまってます)

おわりに

2023年のGitHub Sponsorsでの収入についてまとめました。

最初に書いていますが、この記事を公開している理由としては、オープンソースの活動をする人/オープンソースの活動を支援する人どちらの人もGitHub Sponsorsなどの金銭的な支援の仕組みに興味を持ってもらうためです。

EU Cyber Resilience Actの問題や人によっては確定申告が必要になったり面倒なことはあるので、全ての人がやるべきものとは思っていませんが、選択肢として知っておくのは良いと思っています。

今はGitHub SponsorsOpen Collectiveなど、個人や組織がオープンソースを金銭的にも支援する仕組みがあります。支援する人/支援される人どちらも活用を検討してみてください。 ざっくりとした違いとしては、GitHub Sponsorsは個人が扱いやすく、Open Collectiveは組織が扱いやすいという印象です。

2019年10月にGitHub Sponsorsを始めてから4年経ちましたが、GitHub Sponsorsを見かける機会は増えてきているように感じます。

たとえば、GitHubのLocationをJapanに設定していて、GitHub Sponsorsを有効化している人は次のリポジトリにまとめられています。 2023年の一年で、大体150人ぐらい増えているようです。

Sentryのようにthanks.devというサービスを使って、依存してるライブラリのメンテナーに自動分配してスポンサーするような仕組みをとってるケースもあります。

オープンソースとお金の話だと、近年話題になることが多いBusiness Source LicenseFunctional Source Licenseなどのビジネス向けのライセンスの話などもあります。 オープンソースとスポンサーという関係が正解なのかは分かりませんが、まだまだ議論されながら新しい方法が開発されていくと思います。

こういった話はStripe Press — Working in Publicという書籍がオススメです。

謝辞

GitHub Sponsorsなどで支援をしてくれている方々に感謝します。

Special Thanks!

GitHub Sponsorsの一覧

アイコンをクリックすると、実際のユーザーページに移動できます。

SponsorKitを使ってGitHub Sponsorsの一覧を生成しています。

参考

  1. 📝 報酬にしなかったのは定義が難しいのと、見返りを設定してるわけでないため。“所得”は税を引いた後の金額で、GitHub Sponsorsの振込額には源泉徴収はなくて確定申告するまで実際の金額が決まらないので不適当そう。IncomeやRevenueが妥当な表現と思ったため”収入”と表記している。